Electron Spectroscopy(XPS, AES)


電子分光法(Electron Spectroscopy)を用いることによって、 作製した薄膜を評価することができる。 我々は、ESCALABという装置を使い、XPSとAESという方法で薄膜の表面の評価をしている。 また、Windows用XPS解析オリジナルソフト (FDL Surface Analyzer)の作製も行なっている。 我々は、基本的に、無い物は自分達で作るという心がけをもっている。

ESCALAB

XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)

物質にX線を照射すると、そのエネルギー以下のエネルギーで 原子や分子に束縛されている電子が真空準位まで励起され、 物質の表面から光電子がとびだす。 電子は、固有なエネルギーによって、原子や分子に束縛されているので、 その束縛エネルギー(結合エネルギー)を測定することによって、 表面の元素組成分析ができる。 原子が化学結合していると、結合エネルギーがシフト(化学シフト)するが、 その化学シフトをみることによって、表面の化学状態を知ることができる。 このようにして、表面の元素の組成や化学状態などを測定する方法を、 X線光電子分光法(XPS)という。 また、この方法は、化学状態分析ができることから、 ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)と呼ばれることもある。

AES(Auger Electron Spectroscopy)

物質に電子線を照射すると、原子や分子によって固有な運動エネルギーをもつ オージェ(Auger)電子がとびだす。 このオージェ電子の運動エネルギーを測定することによって、 物質の表面の元素組成分析ができる。 AESスペクトルにも化学シフトがみられる。

by D.Barada